戯曲【対岸の永遠】

レニングラードからケープコッドへ、父の旅。

1999年、サンクトペテルブルク。
冷戦終結から十年、ソ連は崩壊し姿を消した。
流れ込んできたのは荒々しいまでの〈自由〉。ロシアは新たな混沌にあった。
この地で暮らす女のもとへアメリカから男がやってくる、
手紙を携えて。
それはかつて〈向こう岸〉へ亡命した父からの手紙だった。
女が手紙を開くとき、傷跡は軋み、サイレンは鳴り、
ぬかるむ土地は語り始める。父の旅を。
 
詩人ヨシフ・ブロツキーと都市レニングラードの関係性から着想し、
二つの岸辺の間で明滅するものを描く。
 
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どうしてこの物語を書こうと思ったのか。
動機は、たぶん私が今抱える違和感なんだと思います。
世界はこんなにも広く、人間の感情もとめどもなく溢れ続ける。
争いの発端はいつも素朴な欲望で、牧歌的な願いほど哀しい未来の引き金となる。
舞台とするレニングラードという街は、バルト海に面した湿地に、皇帝が突如創り上げた幻想的な人工都市。歴史の中で、何度も改名されてきました。
私がこの街に惹かれる理由は、灰色の空と運河に、人間の心の闇が溶け出している気がするからです。
私は日本人で、東京のカフェで書いているけど、せめて知りたい。知っていく方を選びたい。
変わり続けていくために。

てがみ座 主宰/劇作家 長田育恵


仕様[B5版/一段組/本編96ページ]

¥ 1,200

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